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平屋で中二階(スキップフロア)を設計するメリットとデメリットとは?

2022.12.24住宅コラム

昨今人気が高い平屋は、設計次第で大きな空間を取ることもできますが、今回は平屋で中二階(ちゅうにかい)を組み合わせるメリット・デメリットを解説します。


中二階は通称、スキップフロアとも呼ばれており、間取りにこだわりたい方や、書斎や読書スペースなどを設けたい方に人気のプランでもあります。


一方でデメリットも存在するため、そんなデメリットをできるだけ気にならない工夫やコツなども合わせて紹介していきます。


それでは、まず今回の記事の要点を見ていきましょう。

・中二階とは、階と階の間のスペースを指し、様々な使い方ができる空間として人気が高い

・平屋における中二階のメリットは、階段が基本的にない建物における空間のアクセントであり、空間を縦に広げる効果がある

・デメリットは、バリアフリー性の低下と冷暖房エネルギーがかかりやすいこと

・平屋でも独立した特別な空間を設けたい方におすすめで、第2のリビングとして活用できる魅力がある

1. 中二階とは?

中二階のある家
中二階の様子

出典:白山市北安田モデル

中二階(ちゅうにかい)とは、階と階の間にもうけるスペースのことです。


階段の中間にスペースを設ける場合や、1つのフロアになっている場合、もしくは事例写真のように単独で ” +α ” な空間とする場合など、様々な構成が存在します。


中二階を設ける理由としては、階段の下の空間を収納やお子さんの遊び場、書斎など ” 遊び心のある+α ” な空間を設計したいというご要望が多い印象です。


それ以外の理由では、土地によっては段差があるような土地、もしくは斜線制限があるような土地の場合、建物内の空間を立体的に有効活用できる、ということがあります。

1-1. スキップフロアとの違いは?

スキップフロアのある家
スキップフロアの様子

 

結論的には、スキップフロアと中二階は同義語で、明確な違いはありません。


階段の途中にちょっとしたスペースになっているタイプを「スキップフロア」、1つの居室やフロアーになっている場合を「中二階」と分類することもあるように思えますが、明確な違いはないと言ってよいでしょう。


中二階もスキップフロアも、重要なことはスペースをどのように活用するか?であり、部屋としての使用用途、もしくは土地の段差などを有効活用するのにピッタリでしょう。

2. 平屋で中二階を設けるメリットとデメリット

中庭より四季の移ろいを感じる 「落ち着き」と「贅」を愉しむ平屋の住まい

中庭より四季の移ろいを感じる 「落ち着き」と「贅」を愉しむ平屋の住まい

今回は特に、中二階を平屋に導入するときのメリットとデメリットをみていきましょう。

2-1. メリットは空間のアクセントになる

中二階を導入し、空間のアクセントとなっている家

メリットは3つあります。


1つは、階段がないことが魅力の平屋ではあるものの、2階建てに比べて段数の少ない中二階は「空間のアクセント」となり、一層使い勝手やデザインを広げることができることです。


階段がないと単調になるかな?と感じる方には、でもバリアフリー性も大事にしたい、という方にちょうどいい設計でしょう。


そして2つ目は、平屋でも「縦の広がりを創ることができる」ことです。


平屋はどうしてもコンパクトな設計になりがちですが、平屋のメリットの1つでもある大空間が取りやすいことから、リビングやダイニングと中二階を併設させて縦の空間の広がりを演出できます。


最後の3つ目は、「機能的なスペース」ができることです。


建築において、” 空間の余白 ” を楽しむことも良いですが、機能的な平屋を考えていくと中二階を活用して、書斎や趣味部屋、なにかの作業を行う場所としてもちょうどいいのではないでしょうか。


「空間はつながりつつ、ゆるく縁を切っている点」が中二階のポイントです。

2-2. デメリットはバリアフリー性の低下

車椅子を利用する男性

一方でデメリットは2つあります。


1つが、階段がないことがメリットの平屋に、中二階を入れることで階段・段差が生まれることです。


空間の広がり自体を求めるのであれば、中二階を設けずとも吹抜でも対応できるため、迷った際は、ご家族の目的・嗜好が「広さ」なのか「場所」なのか、を話し合って決めましょう。


2階建てに比べて、耐震性の観点からも抜き抜けは設計しやすく、空間の容積を広げたいのであれば、中二階でなくとも実現はできるでしょう。


2点目は、一般的な住宅の場合、空間容積が大きいため、冷暖房が効きにくく光熱費がかかる懸念です。


フジタではZEH・長期優良住宅をクリアする断熱性能を有しているため、この点は心配不要ですが、設計の際には断熱性には気を付けましょう。

3. 平屋で中二階を取り入れる時のポイント

チェックポイント

それでは、平屋で中二階を取り入れる際に気を付けるべきポイント、2つをご紹介します。


1つ目は「中二階の空間の用途をはっきりさせておくこと」です。


先述でもご家族の目的・嗜好が「広さ」なのか「場所」なのか?という部分に触れましたが、なんとなく取り入れてみたけど結局使わなかった、では勿体ないです。


仕事をする?家事をする?読書をする?


使用用途はご家族により、様々ですが、目的を明確化しておくと住んでからの後悔が少ないでしょう。


2つ目は、「断熱性能を一定以上(ZEH以上)にしておくこと」です。


最低でもZEHレベルの断熱性能(石川ではUA値:0.6W / ㎡・K以下)にしておくことをおすすめします。


空間の容積が大きいと、上下の温度差が出やすくなりますが、断熱性能によってこの上下の温度差を少なくすることや、冷暖房の効きを良くしていきます、


間取りのプランニング時点では、どうしても分かりにくいポイントであるため、断熱性についてはしっかり考えましょう。

4. 中二階はこんな方におすすめ!

将来的なことも考えて平屋がいいと考えているものの、空間を有効活用したい方にオススメです。


また、小屋裏・ロフト(天井高さが1.4m以下)ではなく、階段で上下する独立・半独立した空間が欲しい方にも向いています。


中二階のポイントでもあげた「空間はつながりつつ、ゆるく縁を切っている場所」がほしい、という方にピッタリです。


ロフトと呼ばれる床面積に算入されない場所は、どうしても収納場所ぐらいにしか活用方法がありませんので、ちょっとした自分時間を贅沢に過ごしたい方は検討してもよいでしょう。

5.フジタの平屋で中二階を取り入れた事例

中二階を取り入れたフジタの事例

こちらの事例では、階段の途中に中二階を設けた事例です。


在宅勤務なども増えてきている中、家族の雰囲気を感じつつも仕事ができる場所として有意義な場所です。


当施工事例の詳細を含めて、スキップフロアの設計のコツもこちらの記事で解説していますので、中二階が気になっている方は合わせてご覧ください。

注文住宅で人気のスキップフロアの設計のコツとフジタの事例紹介

6.まとめ

「空間はつながりつつ、ゆるく縁を切っている場所」として人気の高い、中二階(スキップフロア)ですが、使用目的とそれに伴う建築上の配慮が必要であることを解説してきました。


また、平屋が気になっている方は、「石川県で平屋が近年人気の理由。メリットデメリットを踏まえて解説!」も合わせてご覧ください。


フジタでは、中二階での設計や施工事例もありますので、中二階・スキップフロアを組み合わせたプランを考えている方はお気軽にフジタまでご相談ください。

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メリハリある横長連続窓と、落ち着き感じるミドリの坪庭が見どころ。


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