
段差が少なく、手すりなどが設置されているバリアフリー住宅は、高齢者に限らず多くの世帯の方にとって過ごしやすい住まいです。
一方でスロープを作ることなど、建築費用が高くなる要素でもありますので、資金計画内で新築するためには、補助金を活用することなど費用負担を抑える方法を検討する必要があります。
2025年現在、国や自治体による多様な制度が用意されており、条件を満たせば数十万円から100万円を超える補助金の交付を受けることも可能です。
本記事では、バリアフリー住宅で利用できる補助金の種類や申請方法、部位別の設計ポイントまで詳しく解説します。
Contents
バリアフリー住宅とは│新築時に確認したい基本事項を紹介

バリアフリー住宅とは、段差の解消や手すりの設置など、身体的な負担を軽減し、すべての人が安全かつ快適に暮らせるよう設計された住まいのことです。
高齢者や障がいのある方に限らず子育て世帯や将来の介護を見据える家庭にも適していますので、新築時には将来的なライフスタイルの変化を見越して、可変性のある間取りや誰もが使いやすいユニバーサルデザインの導入を検討することが重要です。
上の写真のように、段差が少なく家具間の間隔も十分に取れた住まいであれば、あらゆる人が動作に不満を感じることなく暮らすことができます。
石川県でのバリアフリーに配慮した住まいを確認したい方は、『デザインと高性能 細心設計のフジタ』の施工事例をご確認ください。
また、バリアフリー住宅について具体的にご相談も受け付けていますので、石川県での新築をご検討中の方は、ぜひお気軽にご相談ください。
※建築予定地が施工エリア内(石川)の方のみ対応させていただきます。
バリアフリー住宅の新築に活用できる補助金【2025年版】
実は2025年現在、「新築のバリアフリー住宅だけ」を対象とした補助金はなく、他の補助金と同様に、性能や太陽光発電設備の導入など、一定の基準を満たすことで交付される補助金を利用することとなります。
具体的にどういった種類の補助金があるのか、代表的なものをご紹介します。
子育てグリーン住宅支援事業
子育てグリーン住宅支援事業は、ZEH水準を上回る省エネ性能を持つ、GX志向型の新築住宅、または子育て世帯、若者夫婦世帯による省エネ性能の高い住まいの取得に対して、最大で160万円の補助金が交付される制度です。
〈関連ページ〉【GX志向型住宅】補助金はいつからいつまで?「160万円」受け取る条件や制度利用のメリット・デメリットを分かりやすく解説
項目 | 内容 |
---|---|
対象住宅の種類と補助金 | ・GX志向型住宅:160万円 ・長期優良住宅:80万円 ・ZEH水準住宅:40万円 ※長期優良住宅とZEH水準住宅は子育て世帯、または若者夫婦世帯のみ |
補助要件 | 一定の省エネ性能や再エネ設備の設置など |
申請期間 | 申請開始~2025年12月31日 |
公式ホームページ | ▶子育てグリーン住宅支援事業 |
戸建住宅ZEH化等支援事業
戸建住宅ZEH化等支援事業は、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の普及を目的とし、一定の省エネ性能を有する住宅の新築や購入を行う個人に対して、補助金を交付する国の支援制度です。
項目 | 内容 |
---|---|
対象住宅の種類と補助金 | ・ZEH:55万円 ・ZEH+:90万円 ※対象とする住宅によって補助金額が異なる。 ※蓄電システムなど、対象となる追加設備によって補助金額の増額も可能。 |
補助要件 | 一定の省エネ性能や再エネ設備の設置など |
申請期間 | 2025年4月28日~8月29日など、複数の公募期間あり |
公式ホームページ | ▶戸建住宅ZEH化等支援事業 |
住まいの省エネ促進事業費補助金
補助金は県や市町村など、自治体単位でも制度が設けられています。
例として、石川県で運用されている、住まいの省エネ促進事業費補助金についてご紹介します。
本制度は、家庭における温室効果ガス排出量の削減を目指し、省エネ性の高い住宅の新築や購入、改修に対して実施される補助金です。
項目 | 内容 |
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対象住宅の種類と補助金 | ・GX志向型住宅:40万円 ・ZEH:20万円 ・長期優良住宅:10万円 |
補助要件 | 一定の省エネ性能や再エネ設備の設置など |
申請期間 | 2025年4月1日~2026年3月31日 |
公式ホームページ | ▶住まいの省エネ促進事業費補助金 |
なお、いずれの補助金においても予算の上限に達した場合に申請は打ち切りとなりますので、補助金を活用したバリアフリー住宅の新築には適切なスケジューリングが必要です。
土地を取得することに加え相性のよい工務店を選ぶことも重要ですので、早めに家づくりのパートナーを探すことをおすすめします。
石川県での新築をご検討中の方は、『デザインと高性能 細心設計のフジタ』までお気軽にご相談ください。
※建築予定地が施工エリア内(石川)の方のみ対応させていただきます。
部位別、バリアフリー住宅の設計ポイント【事例付き】
バリアフリー住宅の快適性は、各部位の設計方針によって左右されます。
ここからは新築する際に押さえておきたい、空間ごとの設計のポイントを事例を交えて紹介します。
玄関まわり│スロープと段差解消

玄関まわりは段差をなくし、スロープを設置することがおすすめです。
また、勾配を緩やかにし、手すりを取りつけることで、高齢者や車椅子利用者の安全性が向上します。
事例の写真では、階段の段数を減らすとともに手すりを設置、さらに上がりついた箇所の面積を十分に確保することで、誰もが使いやすい玄関まわりを実現しています。
キッチン・リビング│動線とバリアの最小化

キッチンとリビングは一体的に設計し、車椅子でもスムーズに移動できる動線を確保します。
アイランドキッチンや回遊動線を採用する例も多く、家具配置にも配慮することが大切です。
事例でも、アイランドキッチンを選択するとともに、家具間の間隔を広く取り、誰もが動作しやすい間取りを実現しました。
〈関連ページ〉リビングとダイニングが別空間の間取りの実例紹介│一体の間取りとの違いも注文住宅の実例つきで解説
寝室│介助しやすく、自立を促す工夫を

寝室はベッド周囲に十分なスペースを確保し、介助や車椅子での移動がしやすい設計が求められます。
事例では、必要十分なベッド周辺の間隔を確保した上で、造作家具やウォークインクローゼットも併設しました。
他の部屋に移動することなく、多くの動作を部屋の中で完結できる間取りが魅力的です。
洗面所・脱衣所│車椅子でも使いやすい設計に

洗面台は足元をオープンにして膝が入るよう設計し、水栓もレバー式で操作しやすいものを選びます。
事例では、化粧台を広く確保するとともに、台下部の板を可動式にしています。
車椅子で利用する際は取り外すことも可能で、柔軟な使い方ができるアイデアです。
階段・廊下│手すりと移動スペースの確保

階段には両側に手すりを設置し、各間取りの敷居や段差は極力排除します。
廊下幅は最低でも90cm以上、車椅子使用を想定するなら120cm以上が理想です。
事例では車椅子を利用できる、十分な幅の廊下にしました。
他の部屋に入る際に、写真のように引き戸の仕様にすると動作が楽です。
トイレ・浴室│手すりや引き戸、十分な広さ

トイレや浴室は開き戸ではなく引き戸を採用し、車椅子でも入れるよう広めの設計が必要です。
事例では、トイレに向かって右側に手すり付きの収納を設置しました。
こうした手がかりがあるだけで、便座からの立ち上がりを補助するとともに、万が一の転倒リスクにも備えることが可能となります。
〈関連ページ〉【細心設計】家で過ごす時間がもっと楽しくなる間取りの工夫
紹介したように、バリアフリーを考慮した住まいは細かな点まで配慮の行き届いた家です。設計、施工の十分な経験があってこそ実現可能となります。
こうした住まいを石川県で新築ご検討中の方は、『デザインと高性能 細心設計のフジタ』までお気軽にご相談ください。
※建築予定地が施工エリア内(石川)の方のみ対応させていただきます。
本記事で紹介しきれなかった施工事例も豊富にありますので、参考となる事例を確認したい方は以下のリンクからぜひご覧ください。
まとめ|新築バリアフリー住宅は「フジタ」にご相談を

高齢化社会が進む中で、将来を見据えたバリアフリー住宅の新築は多くの家庭にとって重要な選択肢となっています。
建築費用は高くなりがちですが、補助金や減税制度を活用すれば経済的な負担を抑えつつ、安心・安全な住まいを実現することは可能です。
一方で制度の内容は複雑で、申請には専門的な知識が求められることもありますので、早めの計画と専門家への相談をおすすめします。
『デザインと高性能 細心設計のフジタ』では、補助金制度に精通したスタッフが設計から申請サポートまで丁寧に対応し、資金計画も含めた理想の住まいづくりを全力でお手伝いしますので、お気軽にご相談ください。